冷凍食品配送はきつい?冷凍車は寒い?ドライバー未経験者の疑問を解消!

投稿日:2021年6月28日

トラックドライバー未経験の方が、ドライバーの仕事に興味をもって調べているときに目にするキーワードの一つに、「トラックドライバーはきつい」というものがあります。

今回はその中でも、冷凍食品配送に焦点をあてて、トラックドライバーの中でも食品配送、食品配送の中でも冷凍食品の配送をする仕事は本当にきついのか?冷凍車と聞くと寒い感じがするけど冷凍車は他のトラックと比べてどんな特徴があるのか?といった内容をお伝えします。

トラックドライバー未経験者の方が疑問に思っていること、不安に思っていることの解消につながるよう、運送業界の人間として正直にお伝えしていきます。

冷凍車はどんな種類のトラックか?

まったくの業界未経験の方に向けて、まずトラックにはどんな種類があるのか説明します。
トラックは大きく分けて3つあります。平ボディ、幌車、箱車です。

平ボディとは、荷台部分が平らになっているトラックです。街中を走っている軽トラックを想像してもらうとイメージが付くと思います。

幌車とは、荷馬車の幌を思い浮かべてもらうと分かりやすいです。荷台部分に箱が付いておらず、荷台部分をシートで覆っているトラックです。

箱車とは、荷台部分に箱が付いているトラックです。

生鮮食品や冷凍食品など温度管理が必要な積荷を運ぶ冷凍車は「箱車」になります。
その中でも、箱に冷凍機が付いているトラック、付いていないトラック、冷凍機が付いているけどチルド食品もしくは米飯類を適温に保つ加温機が付いているコンビニ仕様のトラック、あとはアルミバンタイプの常温用トラックがあります。

アルミバンタイプの常温車は冷凍機がついておらず、雨風防げる「箱車」となっており、主に加食や温度管理の必要のない飲料などを運ぶ際に使用します。大型車では左右が羽のように開くウイング車といったフォークリフトで積み下ろしを想定したタイプの車両もあります。

食品配送では、冷凍車の他に冷蔵車というものを使います。
冷蔵車は、冷凍車と同じく荷台部分に冷却装置を備え大きなクーラーボックスのような断熱材が入った箱を積んだトラックです。冷凍車との違いは、保管温度です。冷蔵車だと0~5℃くらい、冷凍車だと種類によりますが-20℃とか-30℃くらいまで冷やすことができます。

トラックドライバー視点で見た冷凍車の特徴は?

冷凍車の特徴は、なんといっても「夏は涼しく」、「冬は寒い」です。

夏は、トラック内と外の気温差が激しいです。トラックの周りは熱くて40℃近くになりますが、冷凍庫内はマイナス20数℃まで下がります。そのため、気温差でちょっと頭がクラっとくることはありますが、作業中は庫内で涼むことができることから熱中症になるという話まではあまり聞きません。

冷凍食品配送のドライバーはきついと書いているものには、この内外気温差を取り上げているものもありますが、荷降ろしのときはマイナス10数℃とか20数℃の中に入るものの、ジャンパーや軍手を付けて作業しますし、体を動かしていているので寒いと感じることはありません。

夏場はドライアイスを割ってバラまいたり、納品用のドライアイスを台車に乗せ換えたりすることもありますが、これも軍手を付けていれば問題ありません。

冷凍食品配送時の運転で気を付けることは?

冷凍車だからといって、食品配送で使う他のトラックと運転をするうえでの特徴は変わりません。
車体が大きいので上や横を気にしなければならなかったり、真後ろはカメラが付いているとはいえ、映像範囲外が見えなかったりと死角が乗用車以上に多いので、そういった意味では運転に気を遣います。

急ハンドルや急ブレーキも冷凍車だからとか冷凍食品配送だからということはなく、トラック全般として基本的に避けなければいけません。この辺りは共通です。

気を付けるというほどのことではなく、冷凍車の特徴としてエンジンの回転力を利用して冷却しているため、冷凍車以外のトラックよりパワー感がなくスピードが出ないというものがあります。しかし、トラック全般がスピードよりパワーを重視しているエンジンを使用しているため、乗用車と比べても坂道で止まってしまうとか、そういうレベルでパワーがないということはありませんので、坂道発進が不得意な方でも特に心配はいりません。今はよりパワー感は落ちますがオートマ搭載車両も保有する会社が増えつつあります。

あとは冷凍食品配送なので、運転時に温度管理が必要です。運転席に温度計があるので随時適正な温度になっているかを確認する必要があります。とはいえ、何か特別なことをするわけではなく、温度計を確認するだけですので、これも特に問題ないでしょう。

冷凍食配送のきついことは?

冷凍食品配送がきついと書いている一番多い理由は、ルート配送があげられています。冷凍食品に限らず、ルート配送は納品時間に追われて精神的にも、手積み手降ろしで肉体的にもきついとされています。

ルート配送が本当にきついのか?は、こちらの記事でセンター間配送との違いを含めて説明していますので、是非読んでみてください。
ルート配送とセンター間配送の違いとは?業界未経験者でも3分で分かる!

納品スケジュールがきつい!?

たしかに冷凍食品配送の基本はルート配送になります。コンビニエンスストアの場合は何時~何時までと厳しく納品時間が設定されています。しかし当社の場合は、スーパーなどの開店前に納品することや大体何時までに納品してほしい等時間の制約が厳しくないお店がほとんどです。そのため、納品スケジュールに追われてきついということはないです。

荷物の積込みがきつい!?

積込みがきついというのも見かけますが、当社の場合は、積込み時の検品は簡素化しています。7,8割は数を数えるだけでOK、残りもバーコード読み取りによる機械検品やリストで検品となっていますので、運転以外で悩む必要はありません。

積込み時は台車ごと積み込むことになります。台車の数を減らすためにアソート(積み直しや相積み)する作業がある場合も、小一時間もあれば積み込めます。アソートの仕方は、例えば下に重い物を置いて上に軽い物を置くといった感じでいくつかパターンがあります。アソートを行わずに積み込める場合は重いものから順番に積み込んで用意されていますので、機械検品やリスト検品をした商品を上に載せるのみで済むこともあります。ある程度慣れが必要ですが、先輩ドライバーが教えてくれたり、先輩ドライバーがやっているのを見て学ぶことで、問題なく身につけられます。

出勤時間は積み込み順番に合わせて4:00と5:00があり、配送出発が5:30~8:00くらいというのが多いです。

荷降ろしがきつい!?

ルート配送では納品先で荷降ろしがあるため、都度、乗り降りが発生します。冷凍車の場合は、冷気が漏れないように扉の内側にカーテンがあります。ビニール製のカーテンの場合は重いので、荷降ろしで台車に降ろすときに邪魔に感じる人がいます。他に、真綿が入った銀色のナイロンの場合もありますが、マジックテープを貼ったり剥がしたりするのが面倒に感じる人もいるでしょう。扉の開け閉めも頻繁に行います。

ただこれは、冷気が漏れて温度が上がって荷物が溶解しないようにするのが冷凍食品の配送では必須ですので、配送に必要な仕事ですし、これ自体がとにかく大変で嫌というようなことでもありません。

冷凍食品配送の運行前点検で気を付けること

冷凍車は冷凍機が冷えないと荷物が溶解してしまうので、温度の確認が大切です。温度がきちんと下がるかどうか、スタンバイに電源を差し込んでいるトラックは出勤時から蓄冷板を冷やし温度を下げているため、運転席に乗れば温度が下がっているかどうか分かります。蓄冷板が付いていないトラックはエンジンをかけて冷凍機を回してみて温度が下がることを確認します。冷凍機がきちんときくことを確認してから荷物の積込をしないと、積込のし直しをしなければいけなくなります。

冷凍機を冷やすために結構電気を消費するため、バッテリーが弱くなっていないか確認します。特に冬場はバッテリーが弱くなってしまうため、途中でエンジンがかからなくなるということがないように、出発前にしっかり確認します。エンジンをかけてみないと分からないので、エンジンをかけてみてひっかかる感じがあるか等、エンジンのかかり具合で判断します。また、バッテリー液がUPPERとLOWERの間に入っているかを確認します。

他に、冷凍機を回しているベルトが緩んでいると冷凍機がきかないといったことになるので、ベルトの張りを確認します。

さらに、冷凍機に限らず、トラック全般に言えることとしては、トラックが斜めになっていないか確認します。これは見た目のタイヤの潰れ具合を確認します。トラックはリアタイヤがダブルタイヤになっているので、片方がパンクしていても分かりません。パンクしているタイヤがある側のパンクしていない他のタイヤに負荷がかかることでパンクしやすくなったり、変にタイヤがすり減ることになります。細い道に入るときに、トラックが斜めになっていると出っ張っているものにぶつかりやすくなる危険もありますので、注意が必要です。

また、「箱車」は車両の周りを一周し、箱に傷やへこみ、ふくらみが無いかのチェックも重要です。配送中、傷やへこみに気が付き、自身がぶつけてしまったのではと不安になることもあります。穴やふくらみがある場合、雨水の侵入で断熱材が腐り、保冷力が低下する場合があるので、箱の異常も管理者に伝えて指示を仰ぎましょう。

以上、冷凍食品配送に絞ってお伝えしました。一言でルート配送といっても配送先によってきついかどうかは変わります。ルート配送の中でも冷凍食品だからきついということもありません。トラックドライバー未経験のあなたでも安心して働ける環境がありますので、少しでも興味のある求人案件があれば、まずどんな仕事か問い合わせてください。

ページトップへ